愛と愉しみのスペイン料理

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スペインのサンドイッチ、ボカディージョ(Bocadillo)。
バゲットパンに、チーズや生ハム、トルティージャなどを挟んだものです。
ちょっと出かけるときのお弁当として、手軽にすませられる食事として
真っ先に浮かぶ食べ物といっていいでしょうか。
日本でのおにぎりのような感覚の食べ物です。

本場のものは、レタスやトマトなどの生野菜はあまり入れず、
いきなりパンに、具を挟み込む感じです。
自分で作るときは、つい入れてしまいますけれど。

さて、バルセロナが舞台の小説「風の影」。
作中にカフェレストランやそこでのメニューが出てきますが、
このボカディージョも何度か登場します。
だいたいが空腹という状況とセットになっています。

軽くお腹がすいた程度じゃないんです。
いつも、おなかペコペコ状態。

たとえば、ベアと一緒に入ったカフェで
「生ハムのボカディージョ」を注文したダニエル少年。
あいにく無くて、パタタスブラバスを注文するのですが、
その時、
ぼくは、死にそうに腹がへっていた。


また、ホームレスあがりの書店員フェルミンが
こんなふうに提案する台詞もあります。
「すげえ腹がすいてきましたよ・・・玉ねぎたっぷりの卵焼き
(トルティージャ)入りボカディージョを2個かぶりつく、
なんていうのはどうです?」


ほかのシーンでも、フェルミンは
「わたしにもボカディージョをひとつ作ってもらえませんかね。
中身はなんでもいいですから。緊張がつづいたもんで、
メチャクチャ腹がすいちまってね」


フェルミンが治療後に意識が回復したときも
「モルシージャ(血詰めソーセージ)とニンニクの茎をはさんだ
ボカディージョとチョコレートと、レモン味のスグスがほしい・・・」


という具合。
お腹がすいたら、とりあえずボカディージョなんですね。

で、このボカディージョという名称は、あまり日本では知られて
いないと思うのですが、サンドイッチなどとは訳されず、
そのまま使われています。
それだけ、スペインの生活に密着した食べ物だということでしょう。
同じく、よく登場するカフェ・コン・レチェも、そのままで
カフェ・オ・レとかミルクコーヒーにはなっていないですね。

そのほかの食べ物は日本語に訳してあるか、
訳した上で、ルビに原語をふっていました。

「ブテイファーラ」は、カタルーニャ産ソーセージ。
「チストーラ」は、ナバーラ産の細腸詰。
「ブラバス」は、ポテトのチリソース添え。
「モルシージャ」は、血詰めソーセージ。
「トルティージャ」は、卵焼き。

ん〜、なるほどね。
些細なことだけれど、食文化を考慮した上でのこの書き分けに、
うなりました。

といっても、この小説は、食べ物とは全然関係ないし、
小道具としても別に重要ではないですね。
本をめぐるミステリーなので、読書好きの人におすすめです。

ところで・・・
こんなこと書いてて、今更なんだけど

「レモン味のスグス」って何?(笑)
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by kimamaspain | 2007-04-04 11:57 | 本・雑誌・新聞