愛と愉しみのスペイン料理

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赤坂サカスにあるカタルーニャ料理屋さん。
わざわざ店名に「MODAN Catalan SPANISH」と入っています。スペインはスペインでも、カタルーニャ地方の料理なんだよ、スペイン料理といっても、伝統料理をそのまま出すんじゃなくて、前衛的なモダンスパニッシュを取り入れていますよということを強調しているのでしょう。

いいですね。
スペインの各地方料理がそれぞれ主張しはじめたわけです。これから続々と、バスク料理だよ、ガリシアだよ、カステーリャだよと地方色を打ち出したスパニッシュが登場してきそうです。楽しみ〜。

ここはカタルーニャ出身のジョセップ・バラオナ・ビニェスさんが監修をつとめています。今までもいくつかのお店の監修をされていますが、かなり力が入っていると見ました。なんてったって、チーズとハムのホットサンド「ビキニ」を店名にまでして、大々的に紹介しているし、カタルーニャの極細麺フィデワ(パスタパエリア)もまたこのお店の目玉だと思うからです。

いやあ、前置きが長くてすみません。
先日、ここのフィデワを食べて、「これぞまさしく、バルセロナで食べた味だ。わたしの求めていた味だ!」と感激したもんでね。

では、その感激に至るまでの一部始終、ご紹介しましょう。(おおげさな・・・)

赤坂サカスは2008年3月にオープン。
それから半年がたっていますので、落ち着いたころでしょうか。東京メトロ千代田線「赤坂」駅と直結ですが、わたしは「赤坂見附」から歩いてみました。初めてのサカスです。5分ほどして目の前に現れた風景は、ここって六本木の東京ミッドタウン?と間違えそうなほど似て見えました。

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案内板を頼りに、ビルに近寄ります。めざす「BIKINI」は、Biz Tower Atriumの1階にあるもよう。
ここが入り口。

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中に入ると、広い吹き抜けの空間が広がっていました。
明るい。

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ずんずん歩いていくと、ああ、ありました「MODAN Catalan SPANISH BIKINI(モダン カタラン スパニッシュ ビキニ)」。ガラス張りになっていて、店内が見えるようになっていますね。土曜日の13時近くとあって、さほど混んではいないようです。

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店先にはランチの看板。1,600円、2,500円、3,300円のセットがあります。パスタのパエリアという文字を確認して、いざ出陣です。

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中はカウンターに6席ほど。テーブル席が20席ぐらいかな? で、例によってカウンターの前に陣取りました。広めのカウンターで椅子も座り心地がよく、比較的ゆったりしています。

メニューを開きます。
シェフおすすめのメニューA(2,500円)は、
・前菜盛り合わせ
・本日の野菜スープ
・パン&パテ
・本日の魚、肉、米料理のいずれか1品
・デザートとコーヒー

メニューB(3,300円)になると、
メインの魚、肉、米料理が2品選べます。

パスタパエリアがあるのは「Rapid」(1,600円)のみ。ならば、もう「Rapid」をたのむしかないじゃないの。で、ドリンクリストを見ていたら、チャコリ(680円)があったので、むしょうに飲みたくなり、それも注文しました。

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チャコリは、バスクの寸胴グラスに高いところから泡を立てながら注いでくれます。もっと上から注いでくれてもよかったのですが、それでも充分チャコリの雰囲気。うれしい。さわやかなりんごの風味、微発泡のすっきりした味わい。ぐいぐいいけます。

ランチョンマットはモダンな金属製で、水滴などは細かな網の中や溝に入り込むようになっています。へええ〜、面白いですね。

すぐにやってきたのは、紅芋の冷製スープ、サラダ、パン&パテ。

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サラダには、ヘーゼルナッツが潜んでいて、味のアクセントになっています。ドレッシングはビネガーがきいて、シードルとの相性もよく、おいしい。写真ではよく見えませんが、グラスの側面には大根の輪切りを並べて貼り付けてありました。容器をグラスにした場合はこんな演出もいいですね。

パンは、小笠原伯爵邸や原宿bambooでも出てきた細身タイプのもの。それに、自家製の鶏レバーのパテがつきます。これもマル。

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目の前にはハモンイベリコがでんと構えていて、その隙間から調理する手元が見えます。このオープンな空間、いいですね。

このハモンイベリコからは、始終脂が溶け出しているようで、台の上はぬらぬらと光っていました。この脂を受け止めるために置かれた小さなストウブ鍋がかわいかったですね。

その店のスペインバル度(そんなものがあるとして)を知る方法として、ハモンの切り方を見るというのがあります。平らに切り出しているようなら、スペイン式にこだわっている証拠。ここは、本当に美しいくらいに真っ平らでした。丸々二重丸です。

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そして、お待たせいたしました「パスタパエリア(フィデウア)」です。(やっと本題。ここにくるまで長かったね。)一人分がパエリア鍋で出てきました。

熱々です。麺が立ってる。美しい!

うわ〜♪と感激にひたる間もなく、親切にも底にへばりついた麺をスプーンでぐわっとはがしにかかるカマレラ(給仕)さま。「あ〜〜!」と悲鳴を上げるわたし。

美しい焼き上がりをカメラに納めたかったんです。すみません。で、ひとまぜされてしまったものが、こちら。

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麺がぴんぴん立っていますね。これこれ、これですよ。そして、フレッシュトマトにアリオリソース、パセリをかけるというアレンジがなされていて、これがまた非常によく合っているんです。

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具は細かく切ったえび、いか、あさり、それに鶏肉。表面はパリパリ、中はしっとりの極細麺。だしがしっかり染みこんで、うまいのなんの。

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バルセロナの王立海洋クラブで食べた味(2002年)を思い出しました。あのときは、お腹がいっぱいで食べきれませんでしたが、きょうはしっかり食べますよ。パリパリと鍋にこびりついた麺がまたなんとも言えずおいしい。

最初に麺はがしを拒否したがために、フォークで格闘していると、大きなスプーンで、ガガガっとはがしてくれました。ああ、ありがとうございます。お手数かけました。

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ひとり感動の嵐吹きまくって、完食です。この麺は、やはり一度揚げて煮込み、最後にオーブンで仕上げているとのことでした。やっぱりな〜。

炒めるだけのわたしの「フィデワ」じゃ、パワー不足か。というよりも、だしが違いましたね。完全に完敗です。(別に勝負をしてるわけじゃないけど)

次に、デザート。オレンジオレンジオレンジヨーグルトです。その名のとおり、オレンジの三重奏です。

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一番下に、オレンジの皮を砂糖煮にしたものが敷いてあって(これが品がよく、おいしいの!)その上に、生のオレンジの果肉がごろん。そしてヨーグルトがあり、一番上がオレンジシャーベットというわけです。これらを適度にかきまぜて、口に含むと、いろんなオレンジが渾然一体となって、うまさ爆発。自然に頬がゆるんで、幸せな気持ちになりました。やられた!まいりました!の負け感が心地いいんですよ。

これは、オレンジだけじゃなくて他のフルーツでも応用可能ですね。コンポート(砂糖煮)+フレッシュ果肉+ヨーグルト+シャーベットという図式に当てはめればいいわけです。

最後のコーヒーは、こんな器に入ってきました。これ、取っ手がないんですよ。受け皿はまるで茶托のよう。和っぽくていいですね。

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というわけで、全部でお会計はランチ1,600円とチャコリ680円で、2,280円なり。
先日のカサ・カマロンにも増して、大満足のランチでありました。

目の前で作業をしているコシネロ(料理人)の方が、食材やら作り方やらを丁寧に教えてくださったのも嬉しくその点でも感激でした。ありがとうございました。

このパスタパエリアは、系列店の渋谷「ビキニ タパ」でも、食べられるようです。機会があれば、ぜひ。

<参考リンク>

おでかけスペイン料理レストラン&スペインバル

食べログでチェック
Modern Cataran SPANISH BIKINI (モダンカタランスパニッシュ ビキニ) (スペイン料理 / 赤坂)
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by kimamaspain | 2008-09-14 15:18 | レストラン
銀座ベルビア館は2007年春にオープンしたファッションビル。
以前、バニュルスでランチをしたとき、目の前が工事中で
何が建つんだろうと思っていたのですが、これだったんですね。
プランタンの裏にあって、行こうと思えばいつでも行けたのに、
その機会がないまま、今日になってしまいました。
カサ・カマロンはずっと気になっていたんですけどね。

2008年9月の並木通りには「2016年オリンピック誘致」の旗。
う〜ん、個人的にはマドリッドになってほしいなあ。
(スペイン好きの勝手な願望です)
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向かいのABCマートからだと、正面の看板がよく見えます。
「銀座ベルビア館 Autumn」
ピンク地に花があしらわれて、秋というより春っぽい印象ですが
これはえんじにコスモスなのかな。それなら、わかります。
カサ・カマロン」はこの8階にあります。
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エスカレーターは一人乗りです。
せまっ!(笑)って、一瞬思ったのだけれど、2人分のスペースがあっても、
片側を開けていることが多いから、こちらのほうがいいのかもしれません。
それにエレベーターが3基動いていますから。
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どのお店もゆったりとしていて、落ち着きます。
30〜40代を意識したシックな大人のエリアだという
この施設のコンセプトは、中に入って納得です。
土曜日のお昼のせいか、お客さんもまばら。

8階に上がって、右側に目をやると、スペインの酒や小物が
ディスプレイされた品のいい入り口が見えました。
ああ、たぶんあそこかな。
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やっぱり。
ショーウインドウは賑やかだけど、すっきりしています。
ガラス越しに店内が見え、シェフの姿もちらっと。
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入り口にはメニューが出ていましたが、よく見ないまま
入ってしまいました。ああ、しまった、見ておくんだった。

中は10人くらい掛けられるカウンターといくつかのテーブル席。
お客さんはカウンターにひとり、テーブル席にも1〜2組はいたでしょうか。
迷わずカウンターの端っこに陣取りました。
カウンター越しにキッチンの様子を見るのが好きなんです。
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すぐにフロアスタッフがメニューをもってきてくれます。
メニューデルディア(日替わり定食)とアラカルトが何品か並んでいます。

ランチは、2100円のコースのみ。
第1の皿(4品)、第2の皿(4品)の中から1つずつ選べます。
スペイン式のメニュー構成が嬉しいですね。

第1の皿は、だいたいオードブル的な料理やスープ、サラダ、卵・野菜料理
第2の皿は、メインで魚か肉料理という具合になっています。
やっぱり、スペイン料理のランチはこれでなくちゃね。
第1の皿(Primer Plato)は
・茨城産自家米こしひかりと魚介と木の子のパエリア
・蛸のガリシア風マリネ 〜じゃがいもフライとかりかりベーコン
・鴨むね肉のカルパッチョ 〜リンゴとクルミ、ルッコラのサラダ仕立て
・カジョス(牛胃と白いんげん豆のトマト煮)

第2の皿(Segundo plato)は
・厚岸産秋鮭とトマトのソテー〜秋ナスのフリット添え
・気仙沼産戻りガツオと野菜の香草パン粉焼き〜バルサミコ風味
・豪州産牧草肥牛サーロインのソテー 〜アンダルシア産海塩と
・豪州産仔羊肩ロースのロースト 〜パプリカ・ミントのフレッシュトマトソース
・イベリコベジョータ肩ロースと秋の野菜のグリル(+1,800円)

だいたいメニューを見れば、どのようなお店なのかというのが
わかりますが、パエリアを野菜料理の位置づけとして
第1の皿にもってきているところで、もうこれは間違いない! 
どれを選んでもはずれはないだろうと確信しました。
(イタリアンで、パスタが第一の皿に出てくるのと同じ感覚かな?)

日本ではごはんが主食のイメージだから、
このようなパエリアの扱いを理解してくれる人は少ないだろうけれど
いいのです、わたしひとりでも大拍手です。その勇気に乾杯です。

と、食べてもいないうちから、気持ちが盛り上がったところで
オーダーは
1皿めに「蛸のガリシア風マリネ」
2皿めに「牛サーロインのソテー」にしました。
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すると、すぐにこんなピンチョスが出てきました。
薄切りパンにピクルスとハモン・セラーノがのっかっています。
これで気がつきました。ワインをたのんでないじゃないの。
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2皿めを肉料理にしたので、赤をいただくことにしました。
グラスでお願いしましたが、ちゃんとボトルも持ってきて
ワインのラベルを見せてくれます。
リオハの「BANDA AZUL(バンダ・アスール)」

テンプラニーリョだけじゃなくて何かとミックスされているのかな。
軽くて飲みやすい。
たこのガリシア風とだって、ちゃんと合いそうです。

そうこうするちに、蛸のガリシア風マリネがやってきました。
盛りつけが美しいですね。
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細かく刻まれているのは、かりかりベーコンとポテトの素揚げ。
振りかけてあるパプリカは、私の好きな燻製香のあるものです。
アレンジしてあっても、ほんものですね、これは。
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蛸は決して固いわけじゃなく、身が引き締まった程度に
しっかりしていて、噛むたびにベーコンとポテトのコクが
後押して全体の味をまとめます。
水菜と合わせて食べると、ちょうどいい感じです。
赤ワインともよく合いました。

2皿めは、サーロインのソテー。
豪州産ということで、やや不安があったのですが
(スーパーで買ってくる豪州産は独特の香りがあって
わたしはちょっと苦手なのです)杞憂に終わりました。
これまた、しっかりした肉質でまったく臭みがない。
オージービーフがこんなにおいしかったなんて!
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アンダルシア産の結晶塩が、肉の味を引き立てるのでしょうか。
焼き具合もちょうどよく、ワインをもう1杯たのみたいぐらいでした。

付け合わせのルッコラは、千葉の自家菜園からとってきたものだそうです。
食材へのこだわりが感じられますね。
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蛸も牛肉も、皿に残ったオリーブオイルや肉汁がもったいなくて
パンでお皿を拭き取るようにしていただきました。
あ、パンは細目のバゲットで、軽く焼いてありました。
小麦の味がするきめの細かいパンだとよかったんだけど。
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デザートはソルベとプリンがあって、プリンにしました。
自家製だそうです。
業務用の既製品に頼らないところが、好感度さらにアップです。
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最後はコーヒー、エスプレッソ、ハーブティーから選べたので
コーヒーにしました。

ああ、おいしかった。ごちそうさまでした。
席でお勘定をすませます。
レシートの金額は、2,580円。

いやあ、これはいいんじゃないでしょうか。
食材にこだわり、きちんと調理し、手頃なワイン(グラス480円)を
用意してくれて、サービス料もとりません。
久しぶりにちゃんとしたスペイン料理のランチを食べた気がしました。

神谷町のお店(カマロンとバル・カマロン)は夜しかやっていませんが、
ここでは昼にその味が体験できるのです。
いいなあ。また来ましょう。
味と価格とメニュースタイルに、スタンディングオベーションです。

神谷町カマロンのレポート(2008.5.18)はこちらで。
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<参考リンク>
銀座ベルビア館サイト
「カマロン」サイト
おでかけスペイン料理レストラン&スペインバル

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casa Camaron (カサ・カマロン) (スペイン料理 / 銀座一丁目)
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by kimamaspain | 2008-09-10 12:00 | レストラン