人気ブログランキング | 話題のタグを見る

愛と愉しみのスペイン料理

spain.exblog.jp

スペイン料理関連のレポートを少しずつ。

ブログトップ

初めての「銀座エスペロ」

6月のどんよりとした日曜日。きょうはスペイン好きの友人とスペイン料理屋さんでランチです。いろいろと候補があがった中、銀座エスペロに行くことになりました。お店の存在は知っていたけど、まだ行ったことがなかったからです。

本店と3丁目店とあって、友人は本店のほうがよりスペインらしいと言います。ならば、おすすめの本店へ。いざ、銀座エスペロ本店へ。

大通りのニューメルサの角をまがり、1本通りを入ったところに、銀座エスペロ本店はありました。
間口が狭く、ショーケースは階段の壁に設置されています。天井からおりている幕は、スペインの国旗色である赤と黄。料理の札も赤と黄。パエジャ鍋のかたちをした入口の看板には、ドン・キホーテがあしらわれていました。

うわ〜、こてこてのスペイン料理屋さんだ〜。もとい、ちゃんとしたスペイン料理屋さんね。

初めての「銀座エスペロ」_b0010007_17344019.jpg

歩道には、ランチメニューの案内板がせり出していて、きょうのメニューが書かれています。やや乱暴な文字でしたが、主な材料も併記され、わかりやすい。ただ、時間がなくて、丁寧に書いている暇がなかったんでしょうね。

店構えやお品書きで、だいたいそのお店の様子がわかりますが、この看板は、それを象徴しているかもしれません。本格的だけど、ちょっと雑。(あ、それってスペインそのもの?)(^^;)

メニューを見て嬉しかったのは、第一の皿、第二の皿というふうに、スペインのコース構成になっていたことです。スペインでは、「本日の定食(メヌ・デル・ディア)」として、どのレストランでも1,000円程度でちゃんとしたランチコースが楽しめますが、それをしっかり実践しています。えらい!

期待に胸をふくらませ、人がひとりやっと通れるくらいの狭い階段を降ります。入口の扉をあけると、カマレロ(給仕)が立っていました。店内はそこそこ広く、60〜70席くらいはありそうです。「2人です」わたしたちは、厨房脇のテーブルに案内されました。

てきぱきオーダー 決断力がものをいう

壁には大小さまざまな絵皿が飾ってありました。どれも素敵。席につくなり、メニューがさっと出てきました。

Priemer plato(第一の皿)
・若鶏のカタルーニャ風サラダ
・かにのクリームスープ
・ガスパチョ
・スペイン風卵炒め
・ツナとキノコのスパゲティ
・トマトとバジルの冷製スパゲティ
・田舎風ミックスサラダ

Segundo plato(第二の皿)
・メルルーサの海老とあさりのマリネーラソース
・若鶏とポルチーニ茸のエスパニョーラソース煮
・仔牛前すね肉のやわらか煮
・生ハム入りスペインハンバーグ
・カサゴの鉄板焼きグリーンソース

Postre(デザート)
・ブラックベリーのムース
・カラメルプリン
・マドリッド風カスタードクリーム
・マンゴーのアイスクリーム
・いちごのシャーベット

Bedida(飲み物)
・コーヒー
・紅茶
・スペインティー(マンサニージャ)

これに、パンかライスがついて、1,500円です。(平日はデザートなしで1,000円)銀座のランチでこの値段。スペイン価格を実現しています。素晴らしい。

わたしは、ガスパチョ、カサゴの鉄板焼きグリーンソース、パン、マドリッド風カスタードクリーム、スペインティー(マンサニージャ)。友人は、ガスパチョ、若鶏とポルチーニ茸のエスパニョーラソース煮、パン、カラメルプリン、コーヒーにしました。

カマレロの兄ちゃんは、てきぱきと注文をとります。ちょっとでも迷っていたら、伝票をおいて他の席に行ってしまいそうな雰囲気です。のろのろと選んでいる暇はありません。

飲み物のメニューをみると、スペインのビールが3種類ありました。Voll Damm(重口)、Estrella Damm(中口)、Cruzcampo(軽口)とそろっています。懐かしさから、急に飲みたくなりました。「わたし、エストレージャ」

気になる気になる隣のテーブル

すぐにビールとガスパチョが運ばれてきました。いきなり水ものダブルブッキングです。あちゃ〜。ビールを頼むなら、サラダか卵炒めにすればよかった・・・。自分の選択ミスが悔やまれます。

初めての「銀座エスペロ」_b0010007_1735745.jpg


ガスパチョを口に含み・・・さらにもう一口。フツーかな。まずくもなく賞賛するほどでもなく。これが万人受けの味なのかもしれないけれど、もう少しインパクトがほしい気がします。わたしのガスパチョランキングでは、吉祥寺ドス・ガトスが1位なのですが、ここは、ん〜〜、5位ぐらいです。

次に、カサゴの鉄板焼きグリーンソースと若鶏とポルチーニ茸のエスパニョーラソース煮。どちらもかなり本格的で、大満足です。カサゴは、身はしっとりしているのに、皮はパリッ。若鶏もやわらかく、どちらも上品な塩加減でした。見かけは濃そうに見えるけれど、日本人の味覚に合わせてあります。さすが〜。

これは友人と半分ごっこ。1つだけだと飽きていたかもしれませんが、2人で分けてちょうどいい量でした。パンにつけて、ソースも残さずいただきました。

初めての「銀座エスペロ」_b0010007_17354495.jpg


来店時には、店内に1/4程度しか客は入っていませんでしたが、その後もぞくぞくとやってきて、1時近くになるとほぼ満席。空いていたわたしたちの隣のテーブルも埋まりました。

隣はパエジャコース(2,200円)を注文しています。このお店のシェフは、国際パエジャコンクールで何度も入賞しているそうなのでさぞかしパエジャがうまいのでしょう。でも、パエジャはうちでもよく作っているし、コンクールというのもいろいろあって、別に入賞していようがいまいが、わたしにとっては、大した魅力ではありませんでした。

しかし、浅いカゴに入って運ばれてきたパエジャをみて、目が釘付けになりました。全体的にブラウン。具が深くお米に埋まっています。一言で言って、地味。見た目の華やかさではなく、ご飯で勝負しているのです。しっかり炊き込まれていながら、ご飯はふんわりぱらっと仕上がっていそうです。

むむむ、食べたい!お腹いっぱいだけど食べてみたい。全然知らない人だけど、一口分けてくれないかなあ。

「ピー、見過ぎです」
友人からイエローカードが出されてしまいました。すみません。

デザートは手作りできそな顔をして

「○番、出てないよ〜」「先にこれ、持っていって」厨房は大忙し。店内のざわめきが増すにつれ、指示を出す人の声も大きくなります。客席に対してスタッフが少ないのか、たえず動きまわるカマレロさん。皿数も多いし、食べるスピードがまちまちだから、大変でしょうね。

デザートが運ばれてきました。これは一口ずつ味見します。

初めての「銀座エスペロ」_b0010007_17361851.jpg


カスタードプリンは、まさにスペインで食べた味。と言っていいのか、ふだんあまり食べないので比べようもないのですが、しっかりとたまごの味がして、スペインで食べたプリンを思い出しました。

そしてマドリッド風カスタードクリーム。表面を飴でかためたクレマ・カタラナはよく食べますが、
クリームだけというのは初めてです。スプーンを容器に入れると、クリームの下で何やらやわらかな感触がしました。突いてすくうと、ビスケットのようなものがスプーンに乗っています。クリームと一緒に口に含むと・・・
おいしい!
「ビスケットとの組み合わせがすごくいいよ。食べて、食べて!」
友人にしきりにすすめてしまいました。

クリームはなめらかで甘さひかえめ。ビスケットはしっとりしいます。底にビスケットを敷くなんて憎いじゃないの。本場はもっと甘いのでしょうが、このアレンジはグー。クレマカタラナは、表面を飴で仕上げるので面倒ですが、これなら簡単に作れそうです。そのうち自分でも作ってみましょう。

ああ思い出のマンサニージャ

最後は、スペイン・ティー。現地ではマンサニージャ、一般にはカモミールティー。ティーバックを放り込んだまま出てきました。これぞスペイン風。そうよ、そうよ、むこうでは、カップにティーバッグがそのまま入ってくるのよ。わたしは、これにスーっとするミントも一緒にいれてもらって、「マンサニージャ コン メンタ」と言って、よく注文していたのを思い出しました。なつかし〜〜。

初めての「銀座エスペロ」_b0010007_17364943.jpg


初めての銀座エスペロのランチ。大満足です。夜になると多少高くなるようですが、長年続いている店はやはり違いますね。スペイン料理の基本からはずれず、スペインスタイルにそって、味で勝負しています。今まで来なかったのが悔やまれます。

次はパエジャです。なにがなんでも、パエリャを食べねば。近いうちに、また来てみましょう。

【関連リンク】

おすすめスペイン料理レストラン&バル

------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
by kimamaspain | 2006-06-29 17:37 | レストラン