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2006年 10月 30日
「チューボーですよ」、パエリアの回
10月28日(土)の「チューボーですよ!」(TBS)は、
「魚介のパエリア」でした。ゲストは嵐の桜井翔さん。
以前、この番組でパエリアをやったのは、2004年の暮れです。
カバちゃん、山咲くトオルさん、假屋崎省吾さんを迎えて
魚介類やお肉たっぷりの豪華なミックスパエリアを作っていました。
それと比べると今回は、わりあい普通の魚介のパエリアです。
しかし、おうちで作るには、この普通のパエリアというのが重要ですよね。
高級食材を使って丁寧に作って「おいしい」というのでは、
当たり前すぎるし、参考にはなりません。
入手が容易な材料で、ささっと作れないと。
その点、今回の「街の巨匠」には期待できます。
スペイン家庭料理に精通している
「サン・イシドロ」のおおつきちひろさんがいるのだから。
肉団子の回のときも登場しましたが、とにかく凝って作らないところが
一般人にはありがたいんですよ。
他の巨匠は「しぇりークラブ」と「赤坂スペインクラブAla」のシェフで、
どちらも特製トマトソースやスープを使い、オーブンで仕上げるという
プロらしい作り方を紹介していました。
スタジオでは、おおつきさんのレシピで作っていたので、
おうちで作るという観点から、そのポイントを感想+評価☆で紹介しましょう。
「おうち de 創作パエリア」を研究して2年!(あら?短い!)(笑)
セニョーラ・あ〜の評価はいかに。
----------------------
1)トマトは生を使って、わざわざトマトソースを作らない。
これこれ。おうちじゃ、わざわざトマトソースを作っておけません。
生のトマトを炒めながら、パエリア鍋の中で即席トマトソースを
作ってしまうというところがいい。ラクチン。
おうちで作るには、こうじゃないと〜♪ で、☆☆☆星3つ。
ちなみにわたしも、トマトソースは使いませんね。
たまにトマトを入れるけれど、他の野菜と同じ扱いにしています。
いつの間にかつぶれて、スープと一体化しているので。
って、これは手抜きでしかないか?
2)パエリア鍋で具を炒めたら、あいたスペースでソースを作る。
一石二鳥ってやつですね。炒めた具をパエリア鍋の片側に寄せて加熱しながら、
オリーブオイルを追加し、にんにくとトマトを炒めてソースを作ります。
これは効率がいいように見えて、失敗の原因になってしまいます。
火加減や鍋の位置、混ぜ具合によっては、片側によせた具が焦げてしまうんですね。
スタジオでも、このときの魚介の焦げが後々まで響き、
焦げ風味パエリアになってしまいました。よって、☆星1つ。
初心者は、具を炒めたら、お皿にいったん移してから、ソースを作りましょう。
3)ムール貝はゆでて、そのゆで汁を煮込み用スープとして使う。
なるほど。このやり方は知ってはいたけど、わたしの場合は
ワイン蒸しにして、その汁を加えていました。
でも、ゆで汁のほうが、じゃんじゃか使えていいかもしれません。
そう思い直して、☆☆星2つ。
ん、待てよ。ゆでていたのは20個ぐらいだったけど、
パエリアの盛りつけに使ったのは、せいぜい5〜6個。
ゆで汁のためにそんなにたくさん用意できないですねえ。
他の料理に使えばいいのだろうけど。
4)パエリア鍋の蓋には同じサイズのパエリア鍋を使う。
すごいね。目からウロコの技でございます。
よくアルミ箔なんかをかぶせる手法があるけど
1回1回かぶせるのも、アルミがもったいないというか、
面倒なんだけど、このやり方だと、嵩があって蓋としてちょうどいい。
だけど、同じサイズのパエリア鍋が2枚ある家庭なんて、ある?
うちはないです。サイズ違いは3枚あるけど・・・。
アイデアがよかっただけに、ちょいと残念。☆星1つ。
でも、最初から、同じサイズを2つ買うという手はありますね。
今からでも、買い足しましょうか・・・。
5)オーブンは使わず、最後までコンロを使用。
オーブンっていうのは曲者で、
使い慣れていれば便利な調理器具なんだけど
そうじゃなければ、ちょっと面倒です。
最初から最後まで、コンロでできれば、それに超したことはありません。
個人的にオーブンには入れない派なんで、☆☆☆星3つ。
----------------------
てなわけで、勝手に番組のお味見をしてみました。
スタジオでのパエリアの味の評価は、星1つだったけど、
番組としては、普通に楽しめたので、総合で☆☆星2つかな?
ゲストの桜井さんもいい味出していたしね。
えっ、星2つじゃ普通すぎる? いやいや普通が一番。
毎回、普通に楽しめる番組って、実はすごいことなんですから。
「魚介のパエリア」でした。ゲストは嵐の桜井翔さん。
以前、この番組でパエリアをやったのは、2004年の暮れです。
カバちゃん、山咲くトオルさん、假屋崎省吾さんを迎えて
魚介類やお肉たっぷりの豪華なミックスパエリアを作っていました。
それと比べると今回は、わりあい普通の魚介のパエリアです。
しかし、おうちで作るには、この普通のパエリアというのが重要ですよね。
高級食材を使って丁寧に作って「おいしい」というのでは、
当たり前すぎるし、参考にはなりません。
入手が容易な材料で、ささっと作れないと。
その点、今回の「街の巨匠」には期待できます。
スペイン家庭料理に精通している
「サン・イシドロ」のおおつきちひろさんがいるのだから。
肉団子の回のときも登場しましたが、とにかく凝って作らないところが
一般人にはありがたいんですよ。
他の巨匠は「しぇりークラブ」と「赤坂スペインクラブAla」のシェフで、
どちらも特製トマトソースやスープを使い、オーブンで仕上げるという
プロらしい作り方を紹介していました。
スタジオでは、おおつきさんのレシピで作っていたので、
おうちで作るという観点から、そのポイントを感想+評価☆で紹介しましょう。
「おうち de 創作パエリア」を研究して2年!(あら?短い!)(笑)
セニョーラ・あ〜の評価はいかに。
----------------------
1)トマトは生を使って、わざわざトマトソースを作らない。
これこれ。おうちじゃ、わざわざトマトソースを作っておけません。
生のトマトを炒めながら、パエリア鍋の中で即席トマトソースを
作ってしまうというところがいい。ラクチン。
おうちで作るには、こうじゃないと〜♪ で、☆☆☆星3つ。
ちなみにわたしも、トマトソースは使いませんね。
たまにトマトを入れるけれど、他の野菜と同じ扱いにしています。
いつの間にかつぶれて、スープと一体化しているので。
って、これは手抜きでしかないか?
2)パエリア鍋で具を炒めたら、あいたスペースでソースを作る。
一石二鳥ってやつですね。炒めた具をパエリア鍋の片側に寄せて加熱しながら、
オリーブオイルを追加し、にんにくとトマトを炒めてソースを作ります。
これは効率がいいように見えて、失敗の原因になってしまいます。
火加減や鍋の位置、混ぜ具合によっては、片側によせた具が焦げてしまうんですね。
スタジオでも、このときの魚介の焦げが後々まで響き、
焦げ風味パエリアになってしまいました。よって、☆星1つ。
初心者は、具を炒めたら、お皿にいったん移してから、ソースを作りましょう。
3)ムール貝はゆでて、そのゆで汁を煮込み用スープとして使う。
なるほど。このやり方は知ってはいたけど、わたしの場合は
ワイン蒸しにして、その汁を加えていました。
でも、ゆで汁のほうが、じゃんじゃか使えていいかもしれません。
そう思い直して、☆☆星2つ。
ん、待てよ。ゆでていたのは20個ぐらいだったけど、
パエリアの盛りつけに使ったのは、せいぜい5〜6個。
ゆで汁のためにそんなにたくさん用意できないですねえ。
他の料理に使えばいいのだろうけど。
4)パエリア鍋の蓋には同じサイズのパエリア鍋を使う。
すごいね。目からウロコの技でございます。
よくアルミ箔なんかをかぶせる手法があるけど
1回1回かぶせるのも、アルミがもったいないというか、
面倒なんだけど、このやり方だと、嵩があって蓋としてちょうどいい。
だけど、同じサイズのパエリア鍋が2枚ある家庭なんて、ある?
うちはないです。サイズ違いは3枚あるけど・・・。
アイデアがよかっただけに、ちょいと残念。☆星1つ。
でも、最初から、同じサイズを2つ買うという手はありますね。
今からでも、買い足しましょうか・・・。
5)オーブンは使わず、最後までコンロを使用。
オーブンっていうのは曲者で、
使い慣れていれば便利な調理器具なんだけど
そうじゃなければ、ちょっと面倒です。
最初から最後まで、コンロでできれば、それに超したことはありません。
個人的にオーブンには入れない派なんで、☆☆☆星3つ。
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てなわけで、勝手に番組のお味見をしてみました。
スタジオでのパエリアの味の評価は、星1つだったけど、
番組としては、普通に楽しめたので、総合で☆☆星2つかな?
ゲストの桜井さんもいい味出していたしね。
えっ、星2つじゃ普通すぎる? いやいや普通が一番。
毎回、普通に楽しめる番組って、実はすごいことなんですから。
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by kimamaspain
| 2006-10-30 11:12
| テレビ番組
2006年 10月 15日
オリーブオイルのテイスティング

テイスティングがあります。
品質チェックと同時にオイルごとに
異なる味わいを評価し、楽しむのですね。
たとえば、香りを嗅いで
「フルーティで若草のようなアロマ」
口に含んでからは
「最初に広がる甘みと、苦み、辛みの
バランスがよく、ビロードのようになめらか・・・」といった具合。
なんて、知ったかぶりして書いたけれど、実は先日初めて、
オリーブオイルのテイスティングというのをやってきました。
というか、その仕方を教わってきました。
「オリーブオイルセミナー」(スペインオリーブオイル輸出協会主催)で、
服部津貴子さんによる講義のあと、テイスティングがあったのです。
■さあ、開始
席についてからずっと気になっていたテイスティング用紙。
円が3つ並んでいて、それぞれタイプA、B、Cとだけ印刷されているんです。
何にどう使うんだろうと思っていたら、
その円の上に、オイルが入ったグラスが置かれました。
そうか、3つのオイルをみるのね。
どれも香りが逃げないように、プラスチックのふたがかぶせてあり
水とパンも用意されました。
手順としては、タイプAをテイスティングしたら、その特徴や評価を
用紙にメモし、パンを食べ、水を飲んで、口をリセットさせる。
次にBを評価し、パンと水。それからCに行くのです。

■テイスティングの方法
まず、ふたをしたまま、グラスをまわしオイルを空気に触れさせます。
それからふたをとって、香りを素早く嗅ぎます。
時間がたつとわからなくなるので、ぱっと嗅いだ印象を大切にしなければなりません。
リンゴのような香り、フルーティな香り、葉や草の香り・・・。
それから、少量口に含み、空気を吸いながら舌先で転がし、
次第に口の中に広がる味覚をとらえます。
熟れた感じか、青くさい感じか。
苦み、辛み、甘みはどうか。
このとき感じる辛みと苦みはプラスの特性で、
調理することによって、これは旨味に変わるそうです。
あとはマイナス要因である酸味、粗雑感、泥臭さ、
金属臭、かび臭、腐敗臭などはないか。
色はこの際、関係ありません。
ひとつひとつをチェックした後、
味、香り、成熟感などを総合的に評価します。
■実際は・・・
実際やってみると、これがなかなか、むずかしいんですよ。
タイプAは最初なので、感想がいろいろ思い浮かびました。
青リンゴのような香りだとか、辛みが強いとか。
そしてタイプBも、Aと比較して、なんとか違いが見つけられました。
しかし、Cともなると、お手上げです。
水を飲んで、新たな気持ちでのぞむのですが、比較するために、
あらためてAやBを嗅いだりしていると、鼻も舌も麻痺してしまって、
なにがなにやらわからなくなってしまったのです。降参。
しかし、隣の人は、ひとつ試すごとに、
さらさらと印象を書き連ね、ABCともに
見分けられたようでした。すごい!
日頃からオリーブオイルを扱い慣れている方だったのかもしれません。
タイプAは単一品種のオイルで、BとCは、ブレンドでした。
ま、最後はこんがらがってしまったけれど、
テイスティングのポイントはわかったので、あとは実践あるのみです。
■品種ごとに違うテイスト
オリーブオイルはオリーブの産地や品種、収穫年度、製造方法によって、
味わいが微妙に違ってきます。まさにワインと同じ。
この違いがわかると面白いのでしょう。
料理によって使い分けたり、自分好みのオイルを見つけたり・・・。
で、今回、わたしが気に入ったのは、カタルーニャ原産のアルベキーナ種。
リンゴのようなさわやかな香りで、よく言われることですが、
しぼりたてのジュースのような趣きでした。
そのまま、サラダや焼き魚などにかけて使うといいんだそうです。
ほかにも、スペインには、ピクアル、コルニカブラ、オヒブランカ、
ベルディアル、ピクードなど260種類以上ものオリーブがあり、
単一もしくは2種、3種と混合してオイルにされます。
それぞれ、お菓子に使うといいとか、白身魚に合うとか
熱に強いので揚げ物に向いているとか、
オイルごとに個性はあるようですが、結論としては
「よいオイルは、どんな料理にも対応できる」ということでした。
やっぱりいいものを使わないとね。
■からだにいいからスペイン産
オリーブオイルは、コレステロール値の改善や動脈硬化の予防、
消化機能の調整や骨格形成にもよいといわれていますが、
なかでもスペイン産は、オレイン酸、ポリフェノールの含有率が高く、
熱や酸化に対しても強くて、安定性が保証されているのだそうです。
そうか、よかった、うちのオイルはスペイン産だ。
家に帰って早速、いつも使っているオイルを
テイスティングしてみたのは言うまでもありません。
草の香りがして、いやな臭いや味はしませんでした。
辛みも苦みも適度、甘みもあります。しばらくこれを使い続けましょう。
そして、いずれはアルベキーノ種や新しいオイルも迎え入れ、
自分なりに使い分けられるようになったら楽しいでしょうねえ。
オリーブオイルは、ほんとーに奥が深い。

▲
by kimamaspain
| 2006-10-15 22:38
| 食品
2006年 10月 06日
ダリの料理本「ガラの晩餐」を求めて

サルバドール・ダリは「幼い頃コックになりたかった」と、言っていた。とろけたカマンベールチーズを見て、だらりとした時計が印象的な「記憶の固執」を描いた。晩年のガウディ建築を「食べられる建築」と形容し、最愛の妻ガラを「食べてしまいたい」ほど偏狂に愛していた。食と関連づけて思考するダリ。料理を芸術としてとらえたならば、どんな創作になるのでしょう。
ダリには、1973年に出版した「ガラの晩餐」という料理本があります。ただのレシピ本なのか、料理をアート化してるのか、内容はわからなかったけれど、どんなものか見てみたいと思っていました。思ってはいたけれど、入手は困難だろうし、目にすることもたぶん無いだろうと、勝手にあきらめてもいました。
■テレビの中の「ガラの晩餐」
その存在すら忘れかけていたころ、ダリのドキュメンタリー番組がありました。「私が噂のダリである サルバドール・ダリ 天才の秘密」。わたしが見たのは、2004年にNHKハイビジョン特集で放送したものを、この春、BS版として1時間に編集し直したものです。親交のあった人たちのインタビューや再現ドラマで構成してあり、フィゲラスのダリ劇場美術館やダリが晩年よく通ったホテル・デュランのレストランも出てきました。
レストランでは支配人らしき人が、ダリが好んで座った席などを案内してくれた後、百科事典のような分厚い本を持ってきました。金色の表紙で、大きく「DALI」の文字とガラの横顔がデザインされています。そう。これこそが、ダリの料理本「ガラの晩餐」だったのです。
パリの名レストラン、トゥール・ダルジャンやマキシム等と共同で制作したもので、136点の料理写真とそのレシピ、ダリの絵とデッサンがふんだんに入っているといいます。ぱらぱらとめくって見せてくれましたが、絵も写真も大きく扱われ、画集のような豪華さでした。
コース料理のタイトルがダリらしく「夢うつつのやわらかい時計」「君主制の肉」「わたしが食べるガラ(les “je mange Gala”)」
そんなふうに名付けるくらいだから、料理はさぞかし奇想天外なものだろうと思いきや、そうではありませんでした。ホテル・デュランのレストランで再現された料理は、貝や甲殻類を使った正統なる晩餐料理でした。最高の食材を丁寧に調理し、ゴージャスに盛りつけた高級料理。
特に「ザリガニのピラミッド盛り」には、恐れ入りました。ザリガニが1mはあろうかという高さに積み上げられ、まるで赤いザリガニツリーのようにテーブルにそびえ立っていたのです。
ダリは、甲殻類が好きだったようです。やわらかな身を堅い殻で守るという生物としての成り立ちにも、惹かれたらしく・・・。世間から守ってくれる鎧がガラで、中身が自分。二人でひとり。一心同体という意味を含めて好きだったんでしょう。
■雑誌の中の「ガラの晩餐」
再現といえば、「料理王国」10月号でもダリの料理が取り上げられています。こちらは、レシピのまま再現したというよりは、ダリに捧げるオマージュとして銀座マルディ・グラの和知徹シェフが独自に解釈して作ったものです。料理名は「ダリ風パナシェ」。「ザリガニのピラミッド盛り」を参考にしたらしく、オマールエビを中心にムースやパイを組み合わせた豪華な1品に仕上げていました。

こうして参考にしているのだから、どこかに資料があるはずです。やはり「ガラの晩餐」をこの目で見たい。
数年前までは探すのさえ困難な状況でしたが、今はネットが充実しています。「ガラの晩餐」で検索すると、難なくその在処がわかりました。1976年5月号の「芸術新潮」の特集に、ダリの料理として、一部紹介されているらしいのです。30年も前の雑誌ですが、どこかにあるに違いありません。古書検索で、探す、探す。探しまくる。
膨大なリストの中から、発行年月の数字を目で追っていきました。まるで、宝くじの当選番号をチェックしてるみたいな気分です。
芸術新潮 1986年5月号 ああ、10年前だよ・・・
芸術新潮 1976年4月号 ああ、その次の号・・・・
芸術新潮 昭和51年5月号 ああ、惜しい・・・
ん? 昭和51年は1976年か? あ、あった〜!
すぐさま手続きをして、待つこと1週間。わたしの手元に1976年の「芸術新潮」5月号がやってきました。
■「芸術新潮」の中の「ガラの晩餐」

表紙からしてダリでした。「特集ダリの料理 その表現と味覚」。扉には「ザリガニのピラミッド盛り」が載っていました。料理は、「ガラの晩餐」からそのまま転載されたもののようでした。テレビでちらっと見えた料理写真が、「臣下にかしずかれた孔雀 帝王風」「蛙のクリーム煮」であることがわかりました。番組で披露された再現料理が、実に忠実にレシピどおり作られていたこともわかりました。
掲載料理は全部で30品。全カラー、レシピつき。岡谷公二さんの解説で、ダリの絵とデッサンも数点載っていました。

レシピのひとつひとつを見ていきます。「ガラの晩餐」の料理はフレンチシェフが作っているため、フランス料理の範疇に入るのかもしれませんが、スペイン料理(カタルーニャ料理)の要素も含まれています。というか、スペインの伝統料理とも重なってくるのです。
魚のおなかに詰め物をする「アフリカの鯛」や「かますのベル・エポック風」は、ナバーラの「川ますの生ハム詰め」を彷彿とさせるし、ムール貝の中に米と野菜を詰めた「ムール貝のシュルプリーズ」は、「ムール貝の蒸し煮」。牛の胃袋と豆を煮込んだ「トリップ昔風」は、コシードを連想させます。
オリーブオイルよりも、バターが多く使われているけれど、血入りソーセージや鱈、手長エビやムール貝、かたつむりなどは、スペインでもなじみの食材です。
と、こうして無理矢理にでもスペイン料理と結びつけたくなるのは、まるっきりのフランス料理ではなく、スペイン料理でもあってほしいという願望にすぎません。
フレンチであろうがスパニッシュであろうが、料理をカテゴライズすること自体ナンセンスなのだけれど、カタルーニャを愛したダリなのだから、カタルーニャ料理、ひいてはスペイン料理にも愛着があり、どこかに反映させているに違いないと思いたいのです。
「ガラの晩餐」のなかに「トマトのタルト」というのがあります。トマトを甘く煮てパイ型に詰めて焼いたものです。フランスにもありそうですが、やはりこう思ってしまいます。
「トマトづかいが、スパニッシュだね」。
【関連リンク】
・サルバドール・ダリの世界にひたるグッズとダリ展情報
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by kimamaspain
| 2006-10-06 11:42
| 本・雑誌・新聞
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